第8回 杭州(中国)の渡航レポート
平成15年10月、開発担当者への仕様説明の目的で、杭州市(中国)へ渡航した際の所感などを書き留めます。
上海へは、関西空港から約2時間弱程度で到着します。
緯度も沖縄のやや下に位置しているため、10月の時期にしては気候的にも小春日和といった感じで過ごし易かったです。
開発を委託したソフトウェア会社は、杭州市に所在しています。
杭州市は上海から南約190キロに位置し、全市人口600万人です。
一般的な会社員の平均月収は、約1,800人民元(約24,000円)ですので、日本と比較し約1/10と言われています。
今回のソフトウェア会社へのVB.NET開発は、250千円/1人月の発注であるため、支払給与などの人件費から換算しても、それでもまだお釣りがくる計算です。
勤務形態は、9:00~17:30(昼休み1H)、残業は平均2H/日、休日出勤もそこそこしているとのこと。
サービスイン前は、徹夜もするとのことなので、日本の勤務形態とほとんど変わりません。
ISO9001(品質)などへの興味も高く、どちらかと言うとシステマチックな体制などへ依存して行く傾向があるように見受けられました。
そのソフトウェア会社は、日本からの発注によるプログラム開発を専門に行っています。
そのため、日本語1級、2級の資格を持つ社員が全体の約12%、3級を含めると約75%になります。
また、入社して1年以内に日本語検定の資格を取得できない場合は、解雇されるとのこと。
今回の仕様説明の際には、その日本語1級の社員が、会議に同席し通訳してくれました。
非常に流ちょうに日本語を話すので、とてもビックリです。
仕様説明では、ゆっくりと分かりやすい言葉を選びながら行う必要がありました。
説明途中には一旦通訳が入るため、会議時間は倍以上の時間がかかるのは致し方ありません。
微妙なニュアンスと言ったものは一切通じないため、こちらの日本語の解読力や正しい日本語能力などが試されているように感じて、非常に興味深かったですね。
現状の中国の技術力は、日本と比較した場合にはやはり若干劣る点は否めません。
日本は約5年~10後には中国に抜かれてしまうだろうと、一般的には言われています。
私感では、約3年後にはほぼ日本と同じレベルになっているのでは、と感じました。
最後に、彼らを見ていると、約20年前の日本を見ているような気がしました。
精神的にも非常に貪欲であり、目をキラキラさせて夢や希望を持って仕事に打ち込んでました。
日本のどこか白けている雰囲気など、微塵も感じさせないところがとても新鮮だった。
それは…きっと街並みが日本の古き良き風景を、想像させたことが起因しているかもしれませんね。 <s.o>