コラム

[2009/06/01] 第11回 「本当の優しさとは何か…」

今回は私が自問自答することの多い、とても難しくて少し繊細なテーマについて書いてみます。

本当の優しさって何だろう?…皆さんはそう考えたり感じたりしたことはないでしょうか。 仕事やプライベートで人と接する機会は数え切れないほど沢山ありますし、その場面は様々です。 そんな時に、自分は優しく接することができただろうか、甘やかし過ぎたりしていないだろうか。 反省してみたり、納得してみたり…自問自答の毎日です。

「優しさ」とは、その言葉や行為がいったい誰のためなのか、この点が大きなポイントになるのではないでしょうか。 時には厳しく接したり強い口調で叱責することも大切なことなのかもしれません。 しかし、その人自身の家庭環境や育った環境が依存することや、その人や周りの人達の基準が曖昧だったり時には偏見もあることから、 とても難しく少し繊細なテーマなのかもしれません。

私が常に気を付けている点は、「優しい人」「温かい人」と思われたいから、あるいは「厳しくて厳格な人」「妥協しない人」と思われたいからなど、自分自身が満足するためだけにならないように、真に相手のことを考えた行為や言葉となっているかです。 その人にとって優しい言葉や行為は、時には麻薬のように一時的な快楽となることもあります。 毒なのか快楽なのか、あるいはとても傷ついた心には鎮痛剤または良薬となることもあるでしょう。 その人自身を正しく理解し状況によって見極めて使い分けることが、大切なのではないでしょうか。 「優しさ」のない「厳しさ」は単に辛いだけですし、「厳しさ」のない「優しさ」は単に甘やかしただけです。 どちらか一方だけでは不十分なんですが、とても単純なたやすいことではありません。

私は「優しいね」と言われると、嬉しいと言うよりも戸惑うことの方が多いのではないかと思います。 それは、私の「優しさ」が正しく伝わったからそのように感じて貰えたのか、もしかすると誤って甘やかしてしまったからそのように感じたのでないだろうか、そんなことを考えてしまうからです。

きっとその人自身を正しく理解すること、それが本当の優しさへの近道となるのでしょう。 その人に応じた、人それぞれの基準となる「優しさ」があるのだと思います。 <s.o>


コラム一覧はこちら