コラム

[2011/05/09] 第34回 「個」と「組織」の調和

「プライド」は少なからず、誰しも持ち合わせているものであるが、果たして生きていくうえで必要なものなのだろうか?邪魔なものではないだろうか?と考えることがある。

あらためて辞書で調べてみた。プライドとは“誇り、自尊心、自負心”のこと。自尊心とは“自分の人格を大切にする気持ち。自分の思想や言動などに自信をもち、他からの干渉を排除する態度”。自負心とは“自分の才能や仕事について自信を持ち、誇りに思う心”と記されている。

実力があり周りから評価されていることが前提になるが、プライドが高い人=“近寄り難い人”、プライドが低い人=“謙虚な人”というイメージがある。また、「プライドが高い人」と「誇り高き人」とでは印象が異なる。「誇り高き人」は人間的に内面も充実している印象を受ける。

人は皆、家族や会社など何らかの「組織」に属して生きている。組織の中では、皆それぞれ必ず役割を担っているはずである。いろいろな局面を考えるとタイプの異なる「個性」を持った人間が必要になってくる。よく例えられる野球のチームでいうと、足の速い人、バントが上手い人、三振が少なく確実性のある人、長打力のある人などである。また、技術的に優れた人だけではなく、精神的支柱になる人も組織には必要である。このバランスをうまく保つことができれば、完成された組織に近づくのかもしれない。

そして、組織の中では、まとまりが重要になってくる。組織に属する「個人」は皆、運命共同体。個々人のプライドに対する意識が強いと組織に良い影響を与えるのかどうか何ともいえないが、少なくとも“自分はプライドが高い”といったことを口にしたり、虚勢や見栄をはることなく、「組織」の中の「個」であることを意識して過ごしたいものである。 <M.K>


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